館林キリスト教会

トピック集

ステップテキスト

子どもイエス

聖書について (ステップテキスト1)

「聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である」

テモテへの第2の手紙、3章16節

1 聖書とは

 今日は聖書について話しましょう。どんな宗教にも経典というものがあります。
つまり信仰の根拠になる教えの本です。
ご承知のように仏教にはお経があり、イスラム教にはコ−ランがありますが、聖書はキリスト教の経典です。
しかし聖書はキリスト教の経典であるだけではありません。
聖書は世界中の人に何百年もの間愛読されている世界のための書物です。
アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、そういう国々では、宗教、道徳はもちろん、人間の考え方、政治、文化、生活習慣にまで聖書は非常に深くかかわっています。
それですから、外国の映画を見るにも、お芝居を見るにも、書物を読むにも、外国人と交際するにも「聖書の知識がないと無理だ」と言われるくらいです。
そのように聖書は、世界の文明と道徳と信仰に、非常に深いエネルギッシュな影響を与えてきた本ですから、クリスチャンになるならないはさておいても、聖書を勉強することは、文化人、教養人として大切だと思います。
どうかこういう機会を通してだんだん聖書に親しみ、聖書を読む習慣を身につけて下さると素晴らしいと思います。
みなさんの人生に非常にも大きなプラスになるにちがいありません。

2 旧約と新約

 今日は聖書について、ごく概略的なことをご紹介したいと思います。
聖書は二つの部分、旧約聖書、新約聖書に分かれています。
一口に申しますとイエス・キリストというお方を境にして、キリストがお生まれになる前の聖書、つまり「いまにイエス・キリストという救い主が地上に生まれてきますよ」ということを予言した部分が旧約聖書です。
その次に、イエス様のご生涯を中心にして、イエス様が天にお帰りになった後の部分が記されている、これが新約聖書です。

3 章と節

 聖書を開きますと、旧約と新約は別々のペ−ジがついています。
それから、各聖書は第一章、二章と、章で分けてあります。
さらに行のなかに、一、二という小さい数字が配ってあるのを節と申します。
なにしろ厚い本ですから開きやすいように、旧約聖書、新約聖書、何々の書、何章何節と区分してあるのです。
それをまず覚えて下さると聖書が読みやすくなります。

4 著者

 では聖書はだれが書いたのでしょうか。
聖書を書いた著者は三十数名です。
三十数名の人が別に相談もしないで自分自分の立場で書いた文章を集めたものです。
どのくらいの期間かかって書かれたでしょうか。
聖書の一番最初のものが創世記といわれます。これが書かれたのが西暦紀元前1、400年位です。
そして、新約聖書の一番最後の部分をヨハネの黙示録といいますが、これが書かれたのが、紀元100年位です。
ですから聖書が書き始められてから書き終わるまで約1500年の月日がかかっているわけです。
いったい世の中にそんなに長い時間をかけて書いた本があるでしょうか。
ゲ−テはフアウストという有名な書物を書きましたが、書き始めたのが20歳でまだ大学生でした。
彼がこれを書き終わったときは85歳でした。
そして出版されるのを待たないでゲ−テは亡くなり、そのあとで出版されましたから、この本は60年以上かかりました。
あるいは日本でも里見八犬伝などは、長い時間をかけて書かれた本として有名ですけれど、聖書には比ぶべくもありません。

5 神様の本

 そんなに長い時間をかけて、そんなに大勢の人が書いた本であるにもかかわらず、
詳しいことを知らないで、本屋さんから聖書を買ってきて読みますと、一人の人が書いた本であるかのように、首尾一貫してきちんとまとまっております。
不思議な本です。それですから「ペンを持って書いた人が聖書の著者なのではない。
実はその人々を動かして聖書という書物をお作りになったのは神様である」。
これが私達が強く感ずるところであり、また様々な事実によって証明されていることです。
そしてお話をしたように長い間世界の人々に愛され、読まれ、いまでも世界で最もたくさん印刷されて、最もたくさん売れ、最もたくさんの人に読まれている、現役のベストセラーは聖書なのです。
「聖書のペ−ジの上には太陽が沈むことがない」というのはそういう意味です。

6 人生の光

 さて、では聖書を読むことによって私達がどういう益を受けるか、どういう意味で聖書は私達の生涯に役立つかということについて、聖書の言葉を引用してお話を終わりたいと思います。
詩篇、119篇の105節に、こういうお言葉があります。
「あなたのみ言葉(聖書)はわが足のともしび、わが道の光です」
私達は旅行をする時、道を歩く時に懐中電灯が必要です。昔は提灯でした。
自動車でドライブする時にもヘッドライトが必要です。
ためしに真っ暗な夜、自動車のライトを消したまま百メートルでも運転してご覧なさい。
必ず事故がおきます。安全な無事な運転は光なしには考えることができません。
あなたは自分の生活のために、どういう光を用意していらっしゃるでしょうか。
聖書はあなたの足のともしびであって、生活と行動を導く光である。あなたの道の光なのです。
あなたの長い一生、聖書のおことばは、必ずあなたを正しく充実した、幸福な、生き甲斐のある人生に導いてくださる、これが聖書の効用です。

こういうわけなればこそ、聖書は世界中の人に愛され読まれているのです。
サラリーマンも学者も主婦も学生も、小さい子供も、聖書は一人一人にとって足のともしびであり、道の光である。
こういうことです。それでは今日のお話を終わります。