市川副牧師 コラム集(19)
ファニー・クロスビー 2006年6月25日
クロスビーは1820年ニューヨーク州に生まれました。お父さんは早く亡くなり、お母さんと、近くに住む信仰の篤い祖母に育てられました。
彼女は幼くして失明しましたが、生涯に六千以上の賛美歌を書いたということです。有名な「イエスの御腕に」(新聖歌253番)は、なんと三十分ほどで書かれた賛美歌だそうです。彼女の歌の多くに曲をつけたウイリアム・H・ドーンが、あるとき、「汽車の出発までに四十分しかないが、自分のこの曲に歌詞をつけてください」とメロデイーを口ずさみました。これを聞いたクロスビーは「ああそれは、イエスの御腕に、という歌になりますよ」と答えて部屋に入り祈りをささげると、三十分で書き上げてドーンに渡したそうです。彼女の多くの歌がそうであるように、世界中の人々に愛され歌われる賛美歌の一つになりました。
大野野百合著「賛美歌・聖歌ものがたり」より
ヒソプをもって 2006年8月27日
詩篇51篇はダビデの詩です。
「ヒソプをもって、わたしを清めてください、わたしは清くなるでしょう。わたしを洗ってください、わたしは雪よりも白くなるでしょう。」(7節)
ヒソプは植物です。イスラエルの人々は、エジプト脱出の夜、ヒソプを用いて小羊の血を、かもいと柱に塗りました。またヒソプはきよめのために用いられたということです。
やがてイエス様がおいでくださいました。十字架のイエス様の血潮は、信じる者の罪をまったく洗い清めてくださるのです。
レバノン杉 2007年1月28日
レバノン杉は、レバノン山脈に育つ巨大な針葉樹です。しかし、今日ではほとんど残っていないということです。
旧約時代においては、大勢の人々の人力で海に運び出し、パレスチナの海岸沿いにまで流し運び、エルサレムに引き上げました。ダビデはレバノン杉を用いて家を建て、ソロモンはこれを用いて神殿を建築しました。その内部は美しく彫刻され金が張られ、杉の梁が屋根を支えていました。
レバノン杉は、日本にも多いヒマラヤ杉と同類ということです。ヒマラヤ杉は枝が垂れ下がるのに対して、レバノン杉は小枝の先が上向きになるそうです。イスラエルではこのレバノン杉が最高の建築材でした。
乾期と雨期 2007年4月29日
アブラハムなど、族長たちは半遊牧の生活でした。天幕(テント)に住み、羊など家畜の群れを連れて、牧草地や水を求めて移動しながら生活しました。かつてのベドウィンの人々の生活によく似ていました。
出エジプト後、イスラエルの民は、約束の地カナンに定住しました。
約束の地カナン、パレスチナ地方の気候は、非常に暑く、乾燥しています。乾期と雨期があり、乾期は、5月から9月で、晴天が続き、午後になって涼しい風が海から吹いてきます。この風は、湿気をもたらし夜間に露となり、植物、穀物の生長を助けるのです。しかし、5月頃の、50日間吹くためにハムシン(50日風)と言われる南東の風は、砂漠の熱気と砂を運んできます。この熱風で植物がドライフラワーのようになってしまうそうです。
雨期は、11月から4月までで、湿気を含む西風が吹き、雨をもたらします。
年に三度、10月末頃の「秋の雨」と、3月末から4月頃の「春の雨」、その間の「冬の雨」が代表的です。ワディと呼ばれる川は、雨期だけ濁流があふれ、乾期には干上がってしまいます。
しかし、全般的に雨量は非常に乏しく、特に南部は乾燥地帯です。