市川副牧師 コラム集(3)
神の平安 2000年10月22日
「何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈と願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい。
そうすれば、人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう。」
上記は聖書、ピリピ人への手紙4章6節、7節のお言葉です。
私たちは、いろいろな出来事に遭遇します。家族が入院して手術を受けなければならなくなったり、子供が受験や就職で苦労したり、仕事がうまくゆかなかったり、人間関係で困ったり、健康がすぐれなかったり、心配は尽きません。
そんな時、誰かに話すと気持ちが落ち着くことがあります。ホッとすることもあり、助けてもらうこともあります。
一人でいろいろ悩んでいても、考えがどうどうめぐりして、まとまらない時、誰かと話し合っているうちに、どうしたら良いか、考えがまとまってくることもあります。
何でも話せて、何でも聞いてくれる友達や、適切な指導をしてくださる人生の先輩はありがたいかぎりです。
真の神さまは、私たちを最も愛し、助けてくださるお方です。ちょうど、お母さんが我が子を愛するように、「何でも話してごらんなさい。何でも打ち明けてごらんなさい。あなたの心の重荷、生活の問題に助けを与えたいと願っています。」と語りかけていてくださいます。
まだ「お祈りをしたことがない」とおっしゃる方も、この機会に、神さまにお祈りをなさってみてはいかがでしょうか。神さまは真実な方ですから、私たちのたどたどしい祈りにも耳を傾けてお聞きくださるのです。そして、不思議な平安であなたの心を守り、助けてくださいます。
あなたが、幼な子のように、なんでも祈る幸いな生活にお入りくださることを願っています。
讃美歌380番 2000年11月26日
この讃美歌は「霊の戦い」を歌った讃美歌として最も知られているうちのひとつです。
作詞者はジョージ・ダフィールドという方です。ジョージ・ダフィールドはペンシルバニア州で何代も牧師として奉仕した家に生れました。成長して、彼もまた牧会や伝道に携わりました。
1858年、アメリカに大リヴァイヴァルが起こったときのことでした。
フィラデルフィアで、ある日曜日、5000人以上の大会衆を前にして、若い聖職者ダドリ・A・テイングが説教しました。それからまもなく彼は禍害のため急死。死の直前、彼がキリスト青年会と同労者たちに残した言葉は「イエスのために立ちあがるように彼らに言ってください」という言葉だったそうです。
ジョージ・ダフィールドは彼の葬儀でこれを聞き、家に帰るとこの言葉に基づいて讃美歌を作りました。発表されると、アメリカだけでなく国外の多くの讃美歌集にも収められるようになりました。
作曲者はジョージ・J・ウェブという方です。英国人ですが、のちにボストンに移住しました。彼はロウエル・メイスンという方と共にボストン音楽学校を設立しました。
この讃美歌380番と同じメロデイーで讃美歌215番が収められています。
讃美歌111番 2000年12月24日
「讃美歌111番」はクリスマスの有名な讃美歌です。
作詞者や作曲者は不詳ですが、1700年代の初めころから歌われていたようです。この讃美歌の原歌詞はラテン語だそうです。
当時、私邸の私設礼拝堂で用いられた讃美歌は、聖職者が一枚一枚書き写しました。英国のランカシャのある家に仕えていた、ジョン・F・ウェイドという人が1751年という記載年で書き写した曲の一つが、今の讃美歌111番の原曲だそうです。
この讃美歌は1782年にはじめて讃美歌集に公刊されたそうです。
今日では、ラテン語の歌詞のはじめの語句が曲名となっています。私たちの讃美歌集の讃美歌111番右肩最上部にそれが記されています。
クリスマスの有名な讃美歌として、讃美歌109番と共に世界中で歌われ続けています。
讃美歌502番 2000年12月31日
この讃美歌の作詞者はキャサリン・ハンキーという人です。彼女はロンドンに生れ、家族揃って国教会のメンバーでした。また、お父さんはクラファム福音伝道団という伝道団体で積極的に活動していたそうです。キャサリンもこの団体の活動に加わり、自分でバイブル・クラスを開いていました。ロンドンの多くの人々がこのバイブルクラスに参加したそうです。
彼女が30歳になったばかりの頃、重病を患いました。長い療養生活の中で記された大作の中に、この讃美歌の原詩が入っていたということです。この賛美歌の邦訳者は分かっていないそうです。
作曲者は、ウイリアム・グスタフ・フィッシャーという人です。彼はドイツ系アメリカ人で独学で音楽を習得し、30歳のときジラード学校の音楽教師として迎えられました。
1876年、ドワイト・ムーデイーとアイラ・サンキーの伝道集会で1000人の大合唱を指揮したということです。
彼はまた、200曲におよぶ福音唱歌を作曲したそうです。
彼の作曲した讃美歌が私たちの讃美歌集にも入っています。「イエスよ、こころに宿りて」(讃美歌521番)、「過ぎゆくこの世」(讃美歌538番)などです。