館林キリスト教会

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小林前牧師 コラム集(1)

 クラ−ク博士 1999年1月17日

 明治のはじめ頃、北海道を開拓するため、教育のある、心持ちのしっかりした、身体の丈夫な青年が大勢必要でした。そこでそういう人材を養成するため、札幌農学校が建てられました。今の北海道大学の前身です。北海道開拓使長官黒田清隆は、この学校の教頭として、アメリカからウイリアム・クラ−ク博士を招聘しました。
 北海道に渡る船の中で、二人が相談しています。
 「クラ−ク博士。大切な青年の教育のため、貴方はどんな方針でのぞまれるつもりですか」「良く聖書を教えて、根本的な人格教育をするつもりです。」
 「それは困る。日本には神道も仏教も儒教もある。キリスト教の聖書を教えるのはまずい」「いや聖書が一番です」
両方とも頑固で頑張りましたが、とうとうクラ−ク博士が「聖書を教えられないような学校ならこっちがごめんだ。すぐアメリカに帰る」と言い出したので、この勝負は黒田長官の負けとなりました。
このクラ−ク先生の教えによって、後にこの学校に、内村鑑三、宮部金吾、大島正健、足立元太郎、高木国太郎、佐藤昌介などの、有名なクリスチャンの学者が大勢出ました。
 クラ−ク先生が帰国する時は、大雪の中を馬に乗って、生徒たちも2キロくらい送ってゆきました。先生は一人一人に握手して「少年よ大志を抱け、キリストのために」と言い残し、ムチをならして駆け去って行きました。この有名な言葉は、今でも北海道大学の校庭に立てられたクラ−ク先生の銅像に刻まれています。

 日曜日午後 1999年3月7日

 先週日曜日午後の懇談会の報告を聞いた。そして、決定は牧師たちに任せるということだったので、先生方と相談のうえ、一応次のように決めた。さらにご意見があったら遠慮なくどうぞ。
 最近は、初心者はほとんど礼拝に出席して、牧師や先輩から「信仰入門テキスト」などによって行き届いた指導を受けている。そのため午後の集会の現状は「初心者のいない初心者集会」になっているようだ。またその出席者は、朝8時半の日曜学校の奉仕から続いて出ているような人が多く、なかなか大変なのも事実のようだ。
 しかも「婚約式」「起工式」。場合によっては「納骨式」「記念会」など大事な行事も、「初心者集会が終わってから」などと無理をすることも多い。ことにこれから「建築委員会」などを定期的に開くようになると、さらにその時間と場所が必要になる。
 そこでとりあえず4月から、次のようにしてみよう。
1. 初心者集会は止めて「午後の時間」とする。
2. 信者はこの時間、「定期集会の義務感」がなくなる。
3. この時間は、各自、各グループの自由な企画に用いる。
4. 企画は、目的、参加者、人数、開始時間、協力者、奉仕者なども自由に決め、決まったら週報で予告すると良い。
5. たとえば、青年会や学生、日曜学校関係などの企画。オルガン講習。賛美の学習、練習。コーヒー集会。ビデオや映画の鑑賞会。何かの準備の相談会。日曜日以外の(たとえば木曜午前の定期奉仕日など)の奉仕に参加できない人の奉仕の機会。そのほかいろいろあると思う。
6. 「半休聖日」には、なるべく企画を立てないで、集会も、会計事務その他も休むようにしよう。
 「聖日ランチ」も当分休止になったが、市川先生は、適当な電気炊飯器を買い、袋入りの「暖めカレー」「福神づけ」でも買っておけば、「今日は食べよう」などと、小人数でも気軽に食事ができると、用意しているようだ。これなら正味100円で上がるそうだ。
 時代や状況はいつも変わるが、常にそれを生かし、協力して、楽しく充実した教会生活を送りたいと、いつも祈っている。

 地を行きめぐる 1999年3月14日

 創世記の中でアブラハムに対して、神様は「あなたは立ってその地を「たて、よこ」に行きめぐりなさい。私はそれをあなたに与えます」と約束なさったと書いてあります。
 またヨシュアには、これから占領するエリコ城の堅固な城壁の周囲を、全軍で毎日ぐるぐる回って歩くように命じました。
アブラハムもヨシュアも、神様のお約束どおりその地を手に入れました。
 われわれも同様に、新しい会堂のために、土地を見て歩く時期が来ました。建築委員は忙しくなります。
 教会にとって、場所は非常に大切です。北が良いか、そこには岡住一家がいます。東が良いか、前田一家、篠原一家などがいます。南は松本一家。西は、前沢、佐藤一家が。その他、どの方角にも会員がいます。
 大勢の意見、希望も聞かなければなりません。礼拝中の懇談会も良いでしょう。日曜日の「午後の時間」に、建築委員と、少数でも興味のある人、専門家などを交えた、座談会、研究会もいいでしょう。
 あるいはこの時間を利用して、友達同士が車で出かけるのも良い。
専門家も頼んであるので、彼は「この辺が良い」と決めれば、すぐ土地を探します」と言っている。
 建築委員まかせでなく、アブラハムの約束を、自分に与えられた約束と信じて、どうか歩き回ってください。そして情報を集め、見聞を広め、みんなで話し合うようにしてください。
 教会の全員がアブラハムのように、東西南北を歩きまわろう。

 必要な面積 1999年3月21日

 先週の役員会で、土地の視察や物色、研究の手順ができたようだ。会衆を交えての研究会も、やがて始まるだろう。
いったいどれくらいの土地が必要なのか。
 私は最初、現在が60坪ぐらいだから、せいぜい500坪程度あれば十分だろうと思っていた。しかし建築委員と話す間に、買えさえすれば、700坪〜1000坪必要だと言う、彼らの考えが分かってきた。
1、 礼拝の会衆が増加して、手狭、不便になった。現在の会堂ができたときからの、会衆増加はいちじるしい。統計を取れば、3倍、5倍になっているはずで、教団総会の資料を使えば、礼拝、会計などの対照を誰にも分かる「表」にできるはずだ。
2、 狭いために不便で危ないところもある。無理な曲折の階段。良くここで事故が起きなかったものだ。ロビーもない。会衆のオーバーなどをかける余地もない。会堂もぎりぎりで持ちこめない。整備された母子室も、茶のみ場もない。トイレはあるが、化粧室はない。
3、 この時代なのに、身障者、老齢者のための設備がない。ぜひエレベーター。身障者用トイレ。休憩室。その他が必要なのだ。
4、 駐車場も問題だ。一緒に集まって、一緒に帰るから良いようなものの、駐車場の常識を越えて、ぎゅうぎゅうずめのありさまだ。常識的な必要面積を計算していただきたい。
5、 なによりも、教会の進展にしたがう将来の増改築の余地がなければならない。さらにある人が言うような「クリスチャン老人ホーム」の建設など、いろいろな理想も、地面あってのことだ。
 先週コラムでお話したように、アブラハム、ヨシュアの信仰がさらに教会に与えられるように、またそれが実現するように、祈って行きましょう。