館林キリスト教会

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ショート旧約史 ナホム書

「神を侮るもの」 ナホム書1:1〜11 1997/3/23/

「ナホムーン」は「慰める者」の意味だが、聖書中にこの預言書の著者として、ただ一回しか名前が出ない、言わば有名でない預言者だ。神は信じ従う者に対しては「主は恵み深く、なやみの日の要害である。彼はご自分を避け所とする者を知っておられる」。と言い、従わない者に対しては「しかし、彼はみなぎる洪水であだを全く滅ぼし、おのが敵を暗やみに追いやられる」。などと言われる。明暗はくっきりで、むしろこの章は神の裁きを強調するようだ。世には昔も今も、神が即座の裁きを猶予していることに油断して、神を侮り、罪を犯して平然たる者が多い。我々は彼の預言をとおして、神を畏れ、敬虔な生涯に導かれることが必要なのだ。

「ニネベの滅亡」  ナホム書2:2〜12 1997/3/30/

我々は、エレミヤ書やエゼキエル書において、罪を犯したイスラエルに対する神の裁き、外国軍の侵入による惨状の記事を読んできた。しかし調子に乗ってイスラエルを苦しめた諸国は、実際にはイスラエル以上の偶像国で、不道徳に満ちた国だった。やがて彼らの上には、さらに厳しい神の裁きが臨むのである。ここには古代の強国アッスリヤの都ニネベの滅亡の様子が記してある。本当に世界は攻めつ攻められつ、今も戦争の絶え間がない。しかしここには、「主はヤコブの栄を回復して、イスラエルの栄のようにされる」と、終末のイスラエルの回復が記してある。終末の時に、神による世界の決算が行われ、やがてイザヤの言う神の国、「剣を打ち変えて鎌にする」全世界の一致と平和がもたらされるのだ。

「順境の傲慢」  ナホム書3:1〜10 1997/4/13

アッスリヤの都ニネベは、強大を誇り、諸国を征服し、諸国民を苦しめた。世界中に恨みの声が起こっても、勢いづいた彼らは意に介しない。それは盛時のヒットラー、スターリンの如くだった。イスラエルも彼らの乱暴に苦しんだ。しかしその栄光は決して永遠には続かない。これもまた、ヒットラーたちと共通だ。(3章7節)「すべてあなたを見るものは、あなたを避けて逃げ去って言う『ニネベは滅びた』と。だれがこのために嘆こう」。この章はほとんど彼らの滅亡の歌だ。個人も教会も、順境にいい気になって傲慢に陥ることなく、罪を避け、神を崇めつつ、敬虔な生活に進まなければならぬ。案外順境にも危険があるからだ。