ショート新約 ピレモンへの手紙
「自発的に」 ピレモン1:1〜14
パウロがピレモンへ宛てた手紙です。ピレモンは家の教会として、家庭を解放していたようです。パウロはピレモンの指導者で霊的実際的に多くの糧を与えてきました。ですから「きわめて率直に指示してもよいと思うが、むしろ愛のゆえにお願いする」と言い「捕われの身で産んだわたしの子供オネシモ」についてお願いしています。オネシモはピレモンの家の奴隷でしたが「不都合なこと」をして逃げ出しました。やがて、獄に軟禁されていたパウロに出会い、導かれて悔い改め、信仰の歩みを始めました。パウロはオネシモを主人のもとに送り返す必要を感じていました。主にある兄弟として彼を受け入れてほしかったからです。パウロは彼を「有益な者」と執り成し、ピレモンには良い行いを「強制されて」でなく「自発的に」と願っています。(市川)
「負債を負う愛」 ピレモン1:15〜25
この手紙はパウロの「愛の私信」とも言われ、パウロのオネシモに対する愛が如実に示されている手紙です。そして、イエス様が私たちの身代わりとして十字架上に私たちの罪の贖いをしてくださったことをありありと思い出させる手紙です。特にパウロの18、19節の「もし、彼があなたに何か不都合なことをしたか、あるいは、何か負債があれば、それをわたしの借りにしておいてほしい。このパウロが手ずからしるす、わたしがそれを返済する」という所は、イエス様が私たちのためにとりなしていてくださる祈りそのものです。「手ずからしるす」とは、要求された賠償額を返すと約束した誓約書のことで、パウロがいかに真剣にオネシモのためにピレモンに嘆願しているかがわかります。(伊藤)