館林キリスト教会

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伊藤牧師 コラム集(1)

 救いの救命具 2000年10月15日

 秋は台風のシーズンでもあります。1954年9月26日に日本に上陸した洞爺丸台風のことをご存知の方もいるでしょう。この時、函館と青森を結ぶ青函連絡船洞爺丸は、午後の出港を見合わせ、風の静まるのを待ち、夕方函館港を出発しました。しかし風が思いの外強いので、近くに一時停泊していましたが、夜10時26分、七里ヶ浜で座礁してしまいました。沈んで行く船から人々は救命ボートに急いで乗り移りました。その中の一人の婦人は救命具のひもが切れて泣いていたそうです。それを見たキリスト教宣教師ディーン・リーパー先生は自分の救命具をこの婦人に渡し、こう言いました。「あなたがもし助かったら、教会に行って、イエス・キリストを信じて救われてください」と。松本清張という作家は、この事を「明治百年100大事件」という本に、「こんな混乱の中で自分の救命具を女性に与え、ひたすら祈る人がいた」と記しています。新約聖書に「人がその友のために自分の命を捨てること、これより大きな愛はない」という言葉がありますが、イエス・キリストは、私たちが自分の罪のために滅びなければならないのに、信じる者を救うために、十字架にかかって身代わりに死んでくださり、救いの救命具を与えてくださったお方なのです。

 ストレス解消 2000年10月29日

 ストレス解消ビジネスが大流行です。リラックスチューインガム、特殊な溶液に無重力状態で40分浮かびリフレッシュをはかるフロートカプセル等、また最近はアルファ波音楽で市民のくつろぎを考える自治体までも出てきました。一億二千総ストレス時代と言われるのもわかるような気がいたします。
 ストレスという言葉は、戦後カナダの生理学者セリエが言い出したのですが、今では子供でも口にするほど知られています。質問好きな日本人の一人がセリエ先生に向かって、ストレスの解消法を聞いたところ、セリエは「感謝することですね」と答えたそうです。
 画家ミレーの描いた「晩鐘」という絵をご存知だと思います。お百姓さんの夫婦が、畑仕事をしています。途中に、教会から夕べの鐘の音が聞こえてきました。彼らは心を合わせて神に感謝のお祈りを捧げています。その静かな、平安な一枚の絵は、今でも私たちの心を和ませてくれます。この祈りの姿には全くストレスがありません。
 新約聖書のテサロニケ第一の手紙5章に「いつも喜んでいなさい、絶えず祈りなさい、すべてのことについて感謝しなさい」という言葉があります。私たちの心から、喜びと感謝が失われてストレスが生じるのは、自分で物事を背負い込み、自分の力の限界を感じる時でしょう。それですから、幼い子供が両親にすべてを任せるように、私たちもお祈りしながら神さまにすべてをお任せすることです。その時に、ストレスを解消する感謝の生活が始まるのです。

 教会と十字架 2001年10月21日

 皆さんのまわりには、いろいろな十字のしるしがあるのをお気付きのことと思います。病院や救急車は、赤の十字。薬局、ビルの工事現場、避難所などで見るのは緑の十字です。これらは健康な生活を維持し、命を守る安全のシンボルとも言えるものです。そしてこれらの十字は、イエス・キリストの十字架がそのもとになっているのです。
 多くの人たちは「わたしと十字架とは無関係」と思っているのではないでしょうか。私もかつてはそうでした。しかし、三十数年前、十字架の意味を知った時は、とても感動しました。
十字架について、聖書の記事はこうです。
 「されるこうべと呼ばれている所に着くと、人々はそこでイエスを十字架につけ、犯罪人たちも、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架につけた。そのとき、イエスは言われた、『父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです』。(中略)十字架にかけられた犯罪人のひとりが、『あなたはキリストではないか。それなら、自分を救い、またれわれも救ってみよ』と、イエスに悪口を言いつづけた。もうひとりは、それをたしなめて言った、『おまえは同じ刑を受けていながら、神を恐れないのか。お互は自分のやった事のむくいを受けているのだから、こうなったのは当然だ。しかし、このかたは何も悪いことをしたのではない』。」
 このように、イエス・キリストが十字架上で苦しみ、死んで下さったのは、すべての人がイエス・キリストを信じることによって、罪の生活から救われるためなのです。あなたも、イエス・キリストの十字架の意味について考えてみてください。

 リフレッシュ 2002年10月20日

 休日に心や身体をリフレッシュさせるのはとてもよいと思います。「レクリエーション」ということばは「新たに造り変える」ということばからきていますが、それにはゆとりと安らぎが必要です。
 最近、科学の発達のとともに、生活のテンポが早くなり、仕事は複雑になってきています。過労死とか、ワーカーホリック(仕事中毒)などとという言葉を聞くと、しっかりとした休養とレクリエーションの重要性が叫ばれているのも当然と言えます。  ある人が「忙しい」という字は、りっしんべんの「心」と「亡」の組み合わせたもので、心を滅ぼすことになるから、忙し過ぎる生活を送っている人は注意した方がいいと言いましたが、なるほどと思います。
 また、休日のことを英語で「ホリデ−」といいますが、聖なる日という意味です。休日の本来の意味は、人間が神様を礼拝する日としてあるというのです。そうするならば、人間の心と身体は回復され、祝福された生活を営むことができると教えているのです。旧約聖書出エジプト記に記された有名な十戒の中の第四番目に「安息日を覚えてこれを聖とせよ」とあるのも、同じ事を言っているのです。