館林キリスト教会

トピック集

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子どもイエス

トピック集(4) 随筆 (古い説教ノートから)

社会保障

  一時スウェーデンは社会保障の天国だった。国家予算の5分の1をもって、福祉国家を建てた。老後の生活の保障はほぼ完全だといわれた。われわれもテレビの報道で、これを羨ましく見たものだ。
 ところがその結果、老人の自殺者が世界最高になったのは不思議だ。
 実は、かえって孤独な老人が増加する結果になったせいだろうと言われた。「やっぱりお婆さんなどが元気で、孫でも負ぶって、嫁と喧嘩でもしていた方が、豊かな孤独より幸福なのかな」とつくづく考えたのを思い出す。
ショウペンハウエルの言葉。「自己そのものの方が、自己の所有物よりもはるかに多く、自分の幸福にとって大切であることは確実だ。
 それなのに、人々は自己の修養、訓練よりも、富を獲得することに、昔も今も努力している。これは要すに俗物である。俗物は自分の暇(自由時間)をどうしていいか分からない。そして、貴重な暇は、すぐ倦怠に従服されてしまうのだ。」

お 金

 金貨も銀貨も丸い。これはころころ転がって、いつの間にかなくなってしまうという教訓だろうか。また昔はお金のことを「おあし」と言った。言葉は全部語源に基づいて書いた鴎外博士は、いつも「お足」と書いている。
 これもまた、「足でも生えているように、すぐ出ていってしまう」しゃれだろうか。
 「これ小判、たった一晩いてくれろ」これは昔の川柳だ。