館林キリスト教会

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ショート旧約史 ルツ記

ルツ記 1章1〜14

士師記の残りの三章は、その時代の道徳的衰微の記録で、恐ろしい犯罪とこれによって引き起こされた内戦が記してある。この部分は省略する。宗教的脱線混乱、道徳的衰微と内戦の三つの記録の次に、ルツ記 があって、この書は、そんなに恐ろしい堕落の時代にも一部にはまた、こんなに純粋な敬虔な人々もいたことを物語っている。ことにルツの証は美しい。やがてこの敬虔な家族から、ダビデ王が出るのである。

ルツ記 1章15〜22

オルパ・ルツは二人とも、しゅうとめナオミと共にゆくことを、泣いて頼んだが、ナオミの情理ともなう説得によって、オルパはあきらめて国に止まった。しかしルツは強情強固にナオミとはなれず、共にベツレヘムに行ったのである。 ルツはどんなに、言われても、孤独のナオミを一人去らせることは忍びなかった。またルツは、この家族によって本当の信仰を学んだのであったから、それを棄てて異邦に止まることは、それこそ絶対にできなかったのである。

ルツ記 2章1〜13

ボアズはベツレヘムの有力者、富農であって、刈入れのとき「落穂まで細かく集めないで、それは田畑を持たない貧民に自由に拾わせなさい」という、いわゆる「愛の律法」に従い、貧民に対してやさしかったが、ルツには特に親切にした。それはかねて、ルツの信仰と、母親に対する献身のうわさを聞き、知っていたからである。悪い評判は案外早くひろがるものだが、良い評判もやはりひろがり、同じく善良な人の興味好意を引きつけるのは、ありがたい。

ルツ記 2章14〜23

ボアズのルツに対する親切は、大麦刈りから小麦刈りまで、一ヶ月以上つづき、ルツはその間、もっぱらボアズの畑で落穂を拾った。ナオミは夫の死後貧しくなったときに、自分の畑を人手にわたしてしまったらしい。さてそういう場合に、近い親戚で力のある者に、土地を買い戻してやる義務があるのだが、実際問題としてなかなか実行はむずかしかった。ボアズは親戚なので感心なルツを見るにつけその義務をも感じたが、同時にまた彼女に次第に愛情を抱くに至った。

ルツ記 3章1〜14

毎日のルツの報告から、ボアズのルツに対する好意を感じとったナオミが、ルツに教えて取らせた行為は、今日の道徳標準から見てかんばしいとは言えない。しかるにこの場合のボアズの態度は立派だった。感情が主で思慮の浅い女性につけこむことはしなかった。彼も、ルツとの結婚を決意したらしいが、今はやさしく注意深くルツを去らせた。そして、結婚の手続きをとることを約束した。世の中には、女性をだましてもて遊ぶ男も多いのに。

ルツ記 4章1〜17

ナオミ、ルツにはボアズよりももっと近い親戚がいたので、その人の方が親戚の義務も優先する。ボアズはまずその人と交渉した。彼は土地は買戻してやってもいいが、ルツの責任をとることは困ると言って、ボアズに一切をまかせることになった。ボアズはこの間祈りつつ、結果を神のみ心にゆだねていたが、今はいよいよルツと結婚するように道が開かれて来たのである。その孫に有名なダビデ王が生まれることになるのも、決して偶然ではない。