館林キリスト教会

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ショート旧約史 オバデヤ書

「エドムの裁き」 オバデヤ書1〜10 1996/12/8/

エドムはエサウの子孫の国で、イスラエル南方にあった。神の裁きのために外国の軍隊がイスラエルに攻め込む都度、火事場泥棒のように一緒に攻撃し略奪した。無意識のうちに神の裁きを執行する国も軍隊もあるが、しかしバビロンにせよエドムにせよ、彼等がそれを誇り、いつまでも繁栄を誇るのを許さない。オバデヤはそれを預言する。エドムはバビロンの同盟国くらいのつもりでいたが、無統制なバビロン軍は勝ちに乗ってエドムにも侵入し、さんざんに略奪した。その後の歴史の中でエドムは亡国の憂き目を見る。イスラエルが回復してもエドムは回復せず、いまなお廃墟のままで、岩窟を掘り抜いた独特の神殿、宮殿などがただ観光客の目を楽しませるだけだ。

「火事場泥棒」 オバデヤ書13〜21 1996/12/15/

オバデヤ書は1章しかない短い預言書だ。その内容も、エドムの裁きが専ら語られている。彼等は「イスラエルの禍の日に」その門に入って略奪し、道の辻で見張っていて、逃げて来るイスラエル人を殺した。また彼らの生き残りを捜し出して、褒美が欲しくてバビロンの陣営に拉致した。もともとはイスラエルの先祖ヤコブと、エドムの先祖エサウとは兄弟だったのに、これはひどい話だった。やがて彼等が裁かれるのはまことにやむを得ない。「ひどい話」と言えば、いま世界はひどい話に満ちている。同胞同族の戦争も多い。民衆は情け容赦のない権力者の犠牲だ。その権力者に共通するのは、神を恐れる心がないことだ。しかしやがて彼等も、バビロンやエドムと同じく、最期には恐ろしい神の裁きに直面するだろう。